設楽農園 / 設楽 哲也さん



野菜のことを知ってもらいたい


小杉 「農家ライブ」とは?


設楽 例えば「なぜキュウリは曲がるの?」とか、農家にとってはあたりまえでもお客様の知らない情報や現象などをクイズやマジックで楽しく伝えて場を盛り上げます。さらに種まきから収穫までの栽培ストーリーを農家の僕がプレゼンし、その野菜をフルコースで味わっていただくという五感で楽しめる食のトークライブです。福島県内だけでなく、東京・霞が関でも開いてきました。


小杉 これを始めたきっかけは?


設楽 3.11の後、多くの家族が福島県を離れました。福島第一原発から約80km離れた須賀川でも福島産野菜が売れなかった時期に、僕ができることはSNSで毎日の農作業を誠実に、ありのまま伝えることでした。でも、それを見た人が「農家ってスゴイね」「かっこいい!」と言うことで周囲の反応も変わったんです。僕は、野菜の魅力を知ってもらうには直接、自分の言葉でお客様にありのままを伝えるトークライブしかないと思いました。実際、ライブで提供すると大事に食べていただけました。野菜は喋らないけど、僕が語るより伝わるんです。イベントで集客すればマスコミに取り上げられ、お客様が増えれば野菜の消費量も増えます。全部つなげて地域全体で売れる仕組みを作ること、手を取り合うことで結果、好循環が生まれたんです。


西山 食育だけど、ビジネスモデルでもあるんですね。


小杉 農作業体験など、農園に児童・生徒や親子を招く食育イベントも開いているそうですね。


設楽 はい。加えて、管理栄養士・小児科医師・デザイナーなどとコラボして「食育モンスターカード」も作りました。遊びながら野菜の知識や調理方法なども学べるので学校教材にも採用されました。


小杉 これからしたいことは?


設楽 野菜のファンを作り、農業を憧れの職業の1つにしたいです。今は種まきの時期だけど、きっと実現できると信じています。




設楽農園

野菜ソムリエ

特定非営利活動法人OYAKODOふくしま代表理事

設楽 哲也

1979年福島県須賀川市出身。宮城教育大学卒業後、ANAセールス(株)で5年間勤務し、帰郷。小学校講師を経て就農。学校や親子、企業などを対象に食育イベントを実施するほか、飲食店と連携したメニュー開発、トークイベント「農家ライブ」を仕掛けて農家・飲食店・地域が互いに支え合う、地域経済循環の仕組みづくりにも尽力している。



設楽農園

日本を代表するキュウリの名産地・福島県須賀川市旧岩瀬地区で代々続いている農園。夏はキュウリ、秋はサトイモ、冬はネギ、そして米を家族で栽培・出荷している。

福島県須賀川市